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本が出版されたり、追悼イベントが催されたりする人気者コージー。彼がこんなにも人々の心をつかむ理由は、レーサーであることでも渡り鳥であることでも男らしいところでもない。すばらしいドラマーだからだ(当たり前だ)。 |
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やっぱりあのアクション
もうこれは断言してもいいが、コージーは「見て何ぼ」のドラマーだ。確かに、唯一無二のパワフルなドラミングを聴くだけでもノックアウト(←死語)されるが、あの超カッコイイアクションがなかったら、ここまでの人気にはなっていなかったろう。日本で、彼の存在がクローズアップされるきっかけになったと思われるアルバム、RAIBOWの「虹を翔ける覇者」発売当初はどうだったのだろうか。当時私は2歳くらいなので実際のところは知らないが、あのアルバムを聴いただけで、みんなが「うぉー、コージー最高!」となったのだろうか。確かに”Stargazer”のイントロをはじめ、コージーのドラミングはパワフルで個性全開(?)だが、やはり来日公演や何かしらの映像が公開されてから「コージー人気爆発!」となったのではないか。 ”Tarot Woman”を例に検証してみる。この曲、名作「虹を翔ける覇者」のオープニングを飾る疾走感溢れるナンバーで、実際コージーのパワフルなドラミングが冴え渡っているが、客観的に(コージー好きじゃない人の立場で)聴いてみると、そんなにカッコイイと言えないのではないか。まあ、ギターソロ前半部のことを指しているのだが、この部分のドラミング 「ドッ、タッ、ドッ、タッ、ドッ、タッ、タッタカタッタ、ドッ、タッ、ドッ、タッ、ドッ、タッ、タットコトット」 である。これを執拗に繰り返す。事実、何人かの一般人(コージーに別に興味はないがハードロック好き)に聴かせると、十中八九「カッコワルイ」という答えが返ってくる。しかし我々コージー信者は「カッコイイ」と思う。「メチャカッコイイ」と思う。その違いは何か。そう、我々はコージーのプレイを聴く時、常にコージーの姿を思い描いているのである。あのアクション、あの横顔を。おそらく、コージーのプレイを観たことがある人の95%くらいはそうだと思う。そしてその中の45%は聴きながら真似をする。ウォークマン等で聴いていて、周りに人がいて真似できなくても、少なくとも真似したいはずだ。これはもう間違いない。数字がそれを証明している(?)。 |
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タッタカジャーン
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彼は、何故あんな超カッコ良過ぎるアクションでドラムを叩くのだろうか。いや、叩けるのだろうか。自然に身に付いたのでないのは確かだ。彼自身公言している通り、「人前で演奏するプロなら格好良くなくてはいけない」という信念から編み出されたものなのだろう。要するに、意識し、研究した末の完成形である。鏡の前で、自分自身の姿を見ながら練習してたと思うと、何だか微笑ましい。
私が観たコージー最古の映像はジェフベックグループ時代のものだが、この時既に全盛期(レインボー以降)と同じセッティングで、やはり同じ様なアクションの”コージースタイル”を確立しているのである。(考え様によっては当り前だが、ジェフベック時代というと、個人的には有史以前の様に感じてしまうので...)しかし、この時代のアクション、何となくぎこちない。過剰というか、板についていないのである。何かコージーファンのアマチュアドラマーが、コージーの真似をしている風、とでも言えばいいのだろうか。シンバル叩いてそんな腕の動き止めんなよっていうか。(上図参照) |
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