00年 3月 某日

〜〜 ある日の荻・・・ 〜〜

00年 3月 某日

懐かしい人の夢を見て目が覚めた。
特に親しかった訳ではない。「雪」だけが接点の、ある女性の夢だ・・・。

本人も忘れていた人の夢に「なんだ?いきなり・・・。」と、ボォ〜としたまま時計を眺める。8時30分。
いつもの仕事に行くには遅い時間で、予定のない休日としては早過ぎる時間・・・。
寝ぼけマナコのまま、部屋のカーテンを開ける。快晴。昨夜の雨が嘘の様だ。
風が・・・少し強い。

部屋を振り返ると、おもちゃが散乱している。
つい先日、帰ってきた時のままの、ハンガーに掛かったウェア、玄関に立て掛けたスキーとストック・・・。

まだぼんやりしている頭の中で、ふと計算する。
「身支度と雑用で30分、荷造りと積み込みに1時間・・・。10時・・・、か。」
初心者の頃から、時々訪れているゲレンデが頭に浮かぶ。午後狙いには丁度良い距離・・・。

眠気の残ったまま、少し迷って、番号を押す。0・2・4・・・。
「天気はどうです?」「風は?」「左のバーンに雪は付いてますか?」「モーグルコースは生きてます?」・・・。

そう言えば、前回このゲレンデを訪れたのは、まさにモーグルコースを作っていた時だった。
作りかけのコースの横で、若い係員達の整備作業を眺めていたら、
「もう、飛んでいいですヨ!」と声をかけられて尻込みしたのを覚えている。

「今シーズンはこのままオープンさせます!また、遊びに来て下さいね!!」と、
声をかけてもらった事も・・・。

「雪に呼ばれたかな?」ちょっと苦笑いしながら、都合の良い解釈を思い付く。
体の方は、しっかり荷造りを始めながらだ・・・。


10時を少しまわった頃、相棒を起こしてやる。
既に13万キロを超えた、少しくたびれた四駆だ。今朝は心なしか機嫌が良い・・・。


高速に乗り、ひたすら北を目指す。
普段は仕事で耳にする地名が、次々と後ろに逃げ去って行く。
一つ一つの案内板にちょいと舌を出したい様な・・・、そんな浮かれた気分。
都内のFM局が少しずつ力尽きて行く。
先シーズン壊れたMDが、今だに無口なのがちょっと残念だ・・・。

やがて、遠くにうっすらと白い山が見えてくる。
雪は・・・、やはり減っている・・・。

目的ICの少し手前で、いつもの様にいつものメニューで軽い食事を済ませる。
ひょいと左腕に目をやる。OK、良い時間に雪の上に立てそうだ。


高速に別れを告げ、観光地街の華やかな通りを抜ける。
山へ向かう快適な道を走る。もうすぐだ・・・。

なだらかな丘を超えると、突然、目の前に白い河を、いくつも懐に抱いた山が現れる・・・。


このまま気温の高い日が続けば、4月には各ゲレンデから「来年もよろしく。」と、便りが届く。
今日は、たっぷり楽しもう。
そうだ、モーグルコースを整備していた彼を思い浮かべて、試しに飛んでみるのが良いかもしれない。
彼が最後に見せてくれた、大きなエアーを思い出しながら・・・。



ニャハ♪なぁ〜ってネ!ちょっと小説風に書いてみました!!
こんな風に書くと、荻メでもカッコイイでしょ?

登場する女性は「一回くらい、一緒にスキーに行きたいネ!」と言っていた、
かつて職場の関係者だった方。
「くたびれた四駆」は、くたびれているケド、元気!!
いつものメニューにいたっては、「天玉ウドン」だったりして・・・。

え?「大きなエアー」ですか?尻込みしたあげく、「試しに・・・」ですからねぇ・・・。(笑)
だいたい、目が覚めてから、ゲレンデを目指すあたりがなってないです、ハイ・・・。


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