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01’8/26 |
黒部行も三日目。岩苔小谷での二回目の釣り。 良い事、有ったよ〜ん♪ 復路は大東新道を利用して、薬師沢小屋を目指す事となります。 |
〜〜 8/26 〜〜 起床。 この日のお楽しみは、なんと言っても温泉である。 昨日は到着が遅くなった為、オアズケとなってしまった。 高天原山荘から10〜15分程度歩くだろうか。この温泉は、最近TVでも紹介されたそうだ。 温泉は露天風呂と、女性用の塀に囲まれた物の二つに分かれている。 山の中は基本的に風呂に入れない環境なので、この温泉の存在は嬉しい。 時折陽がさすが曇り気味なのが残念。ピーカンなら、さぞかし気持ち良い事だろう。 湯船の中で缶ビールを呑み、ガシガシ体を洗って・・・、極楽、極楽♪ 風呂から上がり、FFP(良き釣果を招くという噂のFF柄のパンツ)に履き替える。 そして・・・、御利益はどうやら本物だったらしい。(笑) |
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岩苔小谷へ、ウェーディングシューズを履いて出発する。 高天原山荘の方は、「イワナの会」の副会長をされているのだそうだ。固く握手をして山荘を後にする。 岩苔小谷に着く。 先発組の荷物が置いてある。今日は下流側にYutaさん達のチーム入ってるハズだ。 私達もここに荷物を置き、上流側へ釣り登る。 この沢の景観は圧巻だ。 登って行くと、流木が行く手を遮っている箇所がある。そのサイズが半端ではない。 何本もの木々が複雑に絡まり、、流れどころか川を遮る様に横たわっている。 一本一本がもし都会の公園で見たとしたら、「超巨木」な大きさ・・・。十二分に幹の上を歩いて越えていける。 それが、明らかに何処かから流れてきて、複雑に絡まった姿。 ちょうど、台風の後に小川が小さな流木で塞がれてしまっているかのような、そんな姿・・・。 木々のスケールを考えると、この景観を作る為のエネルギー量は・・・、恐ろしくさえ感じてしまう。 そんな場所がいくつか存在している。 しかし、釣りに夢中な私は、実は画像も撮らずに乗り越えてしまうのだが・・・。(笑) Hiroさんから「どんどん釣ってや!!」と声を掛けてもらう。 もし自分に良いサイズが出る可能性があるとしたら、ここしかないだろうとも思った。 いかにもなポイントも多い。 自分レベルが中途半端に丁寧に攻めてしまっては、釣果出るよりも場を荒らす・・・。 途中から、自分でもハッキリ分かるポイントだけに的を絞り、 出来るだけ場を荒らさない様に、前へ出させて頂く事にする。 後ろにHiroさんとdunkeldさん。その後ろにあっくん。更に後ろにはケイピンさんがいるはずだ。 |
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そしてまた、自分にも分かり易いポイントにたどり着く。 横に大岩があり、流れが巻き込んで渦を作っている。 そのまま、小さなプール状になっているポイント・・・。 慎重に近づき、 流れの向こう側の巻き込んでいる場所に毛鉤を落とす。 何かが追うが、流れに巻き込まれて大岩の影へ・・・。 「見えない毛鉤は釣れない・・・ってか?」 そっと竿を上げてみる・・・・。 「ググッ。」 おお!ラッキー♪これぞFFPの御利益か!! ほとんど完全な事故とはいえ、 それでもしっかり掛かっている。(笑) |
大岩の下に入ろうとする魚を、流れの手前側に誘導しようとする。 引きは結構強い。 自分自身では、ブルックも鋭さよりもトルクのある引きの印象をもっているが、 イワナの場合は、更に力強く、ゆっくりと重い引き味の印象を受ける。 竿の番手や魚のサイズの違いもあるのかも知れないが、ゆっくりなのに力強く感じる。 流れのこちら側に寄せる事に成功し、姿を現した魚を見て驚いた。今回の魚の中でどうやら一番大きい。 姿を見て「えっ?」となってしまった途端、魚が反転して岩下へ潜ろうとする。 ビビッてしまい一転慎重になる。 大きな魚とは、やりとりの経験がほとんど無く、加減が分からない。 「うぉ〜、そっちに行かないでぇ〜」とアタフタしてしまう。 寄せてきては、反転急潜航を2・3度くり返し、魚を取り込む事に成功・・・。 近くにいた、Hiroさんに声をかける。 「デカイのが、出ました・・・。」 今にして思えば、狂喜乱舞するとか、もうちょっと気のきいた声のかけ方がなかったのかという気もする。 がしかし、その時の当の本人は、それどころではなかったりしていた・・・。(苦笑) 魚を見ていると、ジワジワと嬉しさが込み上がってくる。 しかし、少し慎重になり過ぎたのかもしれない。魚が弱ってしまっている気がする。 メジャーを当て、慌ててデジカメに画像を納めて、魚を水に帰してやる。 水の中で魚を上流に向けて支えてやる。エラの動きが大きい。 マズイぞ・・・。元気が無い・・・。 Hiroさんの目の前で、ここのイワナの腹を見せる訳にはいかない・・・。少し動揺する。 なかなか泳ぎ出さない。手を離そうとすると、そばの石にもたれてしまいそうになり、慌てて支え直す。 少しして、そっと手を離して見る。今度は石に寄り添う様にしている。大丈夫・・・かな? ここで釣りを終了し、荷物を置いた地点へ戻る事にする。 周囲の画像をデジカメに納めて置く。 もう一度、魚を確認すると、どうやら、流れに頭を向けて自力で泳いでいる様だ。 「サンクス!」 |
荷物を置いた地点へ戻ると、ポツポツと雨が降り出す。 あっくん、ケイピンさんは薬師沢小屋へと先行し、 残りの3人は食事を済ませてしまう事にする。 食事を取る為に森の入り口へ移動する。 木々の下に逃げ込んだだけで水滴が落ちてこないのが不思議。 普通はポタポタと水滴が落ちてきて、 じっとしているとかえって濡れてしまう。 木々が深いので、そのポタポタが始まるまでが長いらしい。 下流から、Yutaさん達のチームも上がってきた。 「釣れましたよ〜。」と言うと、「やったね!!」と言葉を頂く。 なんだか嬉しい。 Yutaさん達は、沢登りの経験もお持ちらしい。 「早く行かないと抜かれちゃう!」と冗談を言って、 薬師沢小屋を目指して先発する。 |
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高天原峠の分岐点にさしかかる。 昨日、降りてきた雲ノ平へ続く道では無く、もう一方の大東新道へ歩を進める。 大東新道は、高天原峠を越え、山中を抜けた後、黒部川沿いを通るコースになっている。 山中を歩き続けると黒部川へ注ぐ何本かの小沢を高巻く事になる。 小沢には、川に出る地点から高天原に向かって順番に名前がついている。 A沢・B沢・C沢・・・、と言う具合だ。逆に薬師沢小屋へ向かう場合は「あと何本・・・。」が分かって気分的に楽だ。 途中あっくん達に追いつき、C沢で休憩を取る事にする。 休憩中に、珍しい生き物に出会った。 Hiroさんが「ハコネサンショウウオ」だと教えてくれた。 イモリ・ヤモリは見た事があるが、サンショウウオは珍しい。 画像を納めようとすると、岩影に隠れてしまった。 ほじくり返すのはイマイチ・・・、残念。 登山道と川の出合いの所で、ある方に出会った。会のメンバーのお一人で、写真家の方だ。 去年東京で、写真展にお邪魔して、黒部の作品を多数拝見させて頂いている。 腕を組み、じっと対岸の一点を見つめていらっしゃった。 対岸に目を移すと、切り立った対岸の中間にシカが横たわっている。 落ちてしまったのか、あるいはそこで力尽きたのか・・・。 流れをはさみ、被写体と対峙して、見つめる写真家の姿・・・。 こちらがシャッターを切りたくなるような、燐とした空気の流れる光景だった。 その場所で少し休憩を取り、黒部川の河原を歩く形で、今度は5人で歩き出す。 ここからは、釣りの際の沢歩き経験が物を言う様だ。 dunkeldさんがグイと前に出て、力強い足取りで歩いていく。 Hiroさんはペースを守って着実に歩いて行く。 アップダウンの少ない行程になっているので、自分もなんとかHiroさんのすぐ後ろをついて行く事が出来た。 渓相は良い。「釣り下ったら楽しそうだな」との考えも浮かぶが、どうやら小屋につけなくなりそうだ。 調子よく歩いていったが、やはりスグに経験値の差が出てしまった・・・。 行程が少し厳しくなり、Hiroさんがスタスタと岩を飛び越えて先に進む。 調子に乗ってついて行こうとすると、軽く足を滑らせて片足が水にボチャリ・・・。 あ〜あ、とうとう登山靴を濡らしてしまった・・・。薬師沢小屋に到着し、早速、乾燥室行きとなった。 この日の小屋は、やっと空いてきている。宴は、中々盛り上がった。 自分自身は、決してアルコールに強い方では無い。特に和製のヤツは心地良い眠りを約束してくれる。 「う〜ん!美味い!!・・・Zzzz。。。」なんてのは、知る人ぞ知る得意技。 これがまた、過去の経験からHiroさんのすすめる日本酒は美味いヤツが多いって事もよく知っていたりする。 これまでにも何度か、Hiroさんの前で「美味い!!・・・Zzzz。。。。」をやらかしている。 会のメンバーの方の中には、明日が下山日という方も多い。 千載一遇のチャンス、力尽きてを逃してなるものかと気合を入れる。 「Zzzz。。。」に充分気をつけながら・・・、ワイン等を中心に慎重にホロ酔い街道へ。(笑) にぎやかワイワイとやりながら、薬師沢の夜はふけていった・・・。 |
小屋を渡り続ける行程は、この日で終了・・・。 明日は薬師沢小屋を拠点とし、釣りだけの、ノンビリした一日になります。 |
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